ゆるふわ成功法

ゆるふわ成功法とは、ゆるくふわっと成功する方法

<シリーズ編>現状に不満が募る優子(23歳/会社員)

 

「え!」

 

優子は、驚きが隠せなかった。

 

 

 

転職を繰り返し3度目の就職。

 

 

 

新しい職場は、

同世代こそ少ないものの

職場で一番若い優子は上司にも恵まれ

いつになく落ち着いた毎日を過ごしていた。

 

 

今日は、

職場で初の忘年会。

 

「あ〜もう12月も終わりかぁ〜。あれから2年ってことか。。」

 

 

そう、あれは、2年前の冬。

 

 

『大好きなことして生きていく!』

 

暇つぶしに立ち寄った本屋で

たまたま手にしたその本を

パラパラとめくると

不思議と胸の奥が熱くなった。

 

 

立ち読みだけでは気が済まず、即購入。

家に帰り1日で読み終えてしまった。

 

 

その後、

居ても立っても居られなく

会社に辞表を提出。

 

高校を卒業して以来

ずっと会社勤めだった優子にとって大きな決断。

不安もあるがワクワク感の方が強かった。

 

ここにいても何もできない。

 

そう確信し、

夢を追い都会へ飛び込んだ。

 

地元を離れ初の一人暮らし。

右も左もわからない状態での独立に向けての活動スタート。

 

 

一度決めたら突き進む優子。

良くも悪くも昔からの彼女の特徴だ。

 

 

勢いで飛び出しあれこれ行動した結果。

 

 

「私はこうして成功しました!」

 

満面の笑みを浮かべながら

本の向こうから笑いかける憧れのK氏のようには、

残念ながらなれなかった。

 

地元を離れ一年経った優子の現実は、

 

このままでは、

来月の家賃が払えない。

 

明日のご飯が食べれない。

 

といった状態だった。

 

 

とてもこんな状態は耐えれない。

 

 

悔しい思いや複雑な感情を

ぐっと堪えて再び地元に戻り

今の職場に転職し一年が経つ。

 

 

「早いなぁ。。。」

 

 

優子は、月日の経つ早さをいつになく感じた。

 

 

 

「あ、まみに返信返さなきゃ。」

 

圭太さんが席に戻って来る前に

友人へのLINEを返そうと思い、

鞄の中から

iPhoneを取り出した。

 

画面を覗くと

 

" 20 : 18 "

 

と表示されいた。

 

飲み始めて1時間以上経ったのか。

 

 

本当に時が経つのは早い。。

 

 

まぁ圭太さんの話が面白いというのもあるのだが。

 

 

 

圭太さんは28歳。優子の5歳年上。

今の会社で唯一の20代の上司だ。

 

 

通路挟んで反対側では相変わらず、

普段会社の愚痴を零している上司が

まるで人が入れ替わったかのように

会社のことを褒め称える会が続いている。

 

久しぶりにお目にかかった社長は実に気分が良さそうだ。

 

 

そんな会をよそ目に見ながら、

 

優子は、

居酒屋のテーブル席が

14人しか座れなかったことを心の中で密かに喜んだ。

 

 

必要なLINEの返信を終え

いつもの癖でTwitterを眺めていると

程なくして圭太さんが戻って来た。

 

 

 

 

話題も尽き始め、

ほどよく酔いが回ってることもあって、

沈黙の時間も徐々に多くなってきている。

 

 

 

「圭太さん」

 

 

優子はお酒の力を借り、

ずっと気になってたことをふと聞いた。

 

 

 

「圭太さんって、この会社もう8年目ですよね。

 しかも、常に業績一位だし。

 いったい、給料いくらもらってるんですか?

 私、密かに圭太さん目標にしてるんです。 」

 

 

 

 

圭太さんは、

にこやかに教えてくれた。

 

 

 

 

「え!」

 

優子は、驚きが隠せなかった。

 

 

 

会社で一番の成績を上げている圭太さん。

バリバリ仕事をこなす憧れの存在だ。

 

 

給料日が来るたび

優子は、入社以来変わることのない

18万9675円と書かれた給与明細を見ながら

同じ20代で会社で一番の業績を上げる圭太さんを密かな目標に掲げていた。

 

 

 

 

そんな憧れの圭太さんと私の給料が、

 

1ヶ月に3000円しか変わらなかった・・・

 

 

 

何かが崩れさった様な気がした。

 

 

 

その飲み会の帰り道。

 

 

道中立ち寄った本屋で、

表題に惹かれ手にした本をパラパラとめくると

静まり返っていた胸の高鳴りが再び聞こえた。

 

 

正確には、

そのような気がした。

 

 

前回の胸の高鳴りと違うのは、

もっと静かで、奥深くで、ストンと落ちるような感覚。

 

まるで、欠けていたピースが、

ピタッとはまるような感じがした。

 

それは不思議な体験だった。

 

優子は何かが開けた気がした。 (続)

 

 

 

 

 

 

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